工房の朝時間と、食卓を彩る器たち:若手職人の日々から
工房の朝の静けさの中で
皆さま、こんにちは。「工房若葉だより」をご覧いただき、ありがとうございます。
このブログでは、私たち地域の伝統工芸工房「工房若葉」で日々作陶に励む若手職人たちの様子や、新作の情報などを通して、伝統工芸品の温かみや魅力を皆さまにお伝えしていきたいと考えております。
朝、工房の扉を開けると、ピンと張り詰めた、けれどどこか穏やかな空気が流れています。まだ人通りの少ない時間から、土と向き合い、道具を整え、一日のはじまりを準備する。これは、工房の若手職人たちにとって大切な「朝時間」です。
この静かな時間の中で、ろくろを回したり、生地を削ったりする作業は、日中の賑やかさとは異なる集中をもたらします。土の感触、道具の音、自分の呼吸だけを感じながら、形を生み出していくのです。
若手職人が器に込める「おはよう」の想い
私たちは、皆さまの暮らしの中にそっと寄り添うような器を目指しています。特に、一日の始まりである朝の食卓で使われる器は、その日全体の気分を左右する大切な存在だと考えています。
工房で働くある若手職人は、毎朝自分で作ったマグカップでお茶を飲むのが習慣だそうです。「自分が作ったもので一日を始める。手に馴染むか、口当たりはどうか。使いながら改善点を見つけることもありますし、何より、その日一日の『よし、やろう』という気持ちを引き出してくれるんです」と話してくれました。
食卓に並ぶ小さな器ひとつで、いつもの朝ごはんが少しだけ特別な時間になる。そんな瞬間を想像しながら、私たちは日々土に向かっています。
毎日の食卓を彩る、手仕事の器
朝の食卓で活躍する器といえば、温かい飲み物をいただくマグカップや湯呑み、ご飯を盛るお茶碗、そしてちょっとしたおかずを乗せる小皿などがございます。
工房若葉で手掛けているこれらの器は、一つ一つが手仕事によるものです。そのため、全く同じものは二つとありません。形や色合い、表面の表情にわずかな違いがあり、それが手仕事ならではの温かみや味わいとなっています。
例えば、手に持ったときの心地よさ、口をつけたときの滑らかさ、そしてテーブルに置いたときの安定感など、使う方が毎日気持ちよくお使いいただけるように、細部にわたって工夫を凝らしております。土の種類や釉薬(ゆうやく)の選び方一つで、器の印象は大きく変わります。工房の伝統を受け継ぎながらも、新しい表現方法を模索する若手職人たちの挑戦が、それぞれの器に個性と深みを与えています。
暮らしに取り入れやすい価格帯と、お求め方法について
伝統工芸品と聞くと、高価なイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。もちろん、時間と手間をかけた特別な作品もございますが、工房若葉では、皆さまの毎日の暮らしの中で気軽に使っていただけるような、比較的手に取りやすい価格帯の器も多く制作しております。
今回ご紹介したようなマグカップやお茶碗、小皿などは、数千円台からご用意しているものもございます。ぜひ、お手に取って、その温かさや使い心地を実感していただきたいと考えております。
工房の作品は、工房に併設された展示販売スペースのほか、工房のオンラインストアにてご購入いただけます。また、地域のイベントなどに合わせて期間限定で出展することもございますので、工房からのお知らせにご注目いただければ幸いです。
手仕事の温もりを、皆さまの食卓に
何気ない一日の始まりに、手仕事の器がそっと寄り添う。それだけで、いつもの風景が少しだけ豊かに感じられるかもしれません。工房の朝時間、そこで生まれる若手職人たちの想いが込められた器たちが、皆さまの食卓に温もりと彩りをお届けできれば、これほど嬉しいことはございません。
これからも「工房若葉だより」では、職人の日々や新しい作品について綴ってまいりますので、どうぞご覧ください。